デンマーク代表、連帯と共に幕を閉じたEURO2020

コロナ禍の影響で開催が1年ずれたEURO2020。1992年以来となる2度目の優勝を目指したデンマーク代表は、初戦でクリスティアン・エリクセンが倒れるハプニングがあったが、その後立て直しベスト4に進出。1992年とは異なる伝説を打ち立てたチームとなった。

チームの連帯感を高めて躍進

デンマーク代表のEURO2020は、悲鳴と共に始まった。6月12日、初戦となったフィンランド戦の前半43分、MFクリスティアン・エリクセンが意識を失い、突如ピッチに倒れこんだ。キャプテンのシモン・ケアーが気道を確保しようと動き、医療班が到着すると、処置を受けるエリクセンを観衆やカメラの視線から守るように、チームは円陣を組んで壁をつくった。試合はそのまま続行されたが、エースを失ったデンマーク代表は、試合に集中できないまま敗れることに。

6月18日の2節ベルギー戦では、試合途中に入院中のエリクセンを励ます拍手が両チームのサポーターと選手から行われ、「クリスティアン、デンマークは君と共にいる」と横断幕が掲げられた。

手術を終えて無事退院したエリクセンがサプライズでデンマーク代表の練習場を訪問。DBU(デンマークサッカー協会)を通じて、「昨晩素晴らしい試合をした仲間たちに再び会うことができて本当にうれしかった。ロシア戦も応援しているよ」とコメントを発表。すると、連敗で後のないデンマークは、22日のロシア戦で4-1と勝利。グループ3位となり、決勝トーナメント進出を決定。勝利よりも大事なことがあると体現したチームが、今度は勝利で応える結果となった。

決勝トーナメントでは、ウェールズに4-0と快勝すると、準々決勝のチェコには2-1で勝利。準決勝のイングランド戦は、延長戦の末に1-2で敗退。ベスト4でEURO2020を後にすることになったが、ピーター・シュマイケルが準決勝前の会見で、「僕らがこうして戦っていることが、550万人のデンマーク国民にとって、大きな喜びになっている」と語ったように、彼らは勝利以上のものを残してくれた。悲鳴で始まったデンマーク代表のEURO2020は、連帯と共に幕を閉じた。

サポーターの声援を背負うユニフォーム

EURO2020アパレルコレクション

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