永田しおり、「ハンドボールの面白さを伝える」

オムロンピンディーズの永田しおり選手は、中学時代はバレーボールに打ち込んでいた。身長がさほど伸びず、より上のレベルでプレーするには難しさを感じ、日本代表を目指せるのでは、と高校からハンドボールに打ち込むように。ハンドボール歴8年で日の丸をつけた永田選手に話を聞いた。

4年越しの目標

高校卒業後の2006年、日本ハンドボールリーグの強豪オムロンに入った永田選手は、ハンドボールを始めて8年が過ぎた2011年、初めて日本代表に選ばれた。ちょうど2012年の世界大会に向けての予選が繰り広げられている時期で、チームを再活性化させるためのサプライズとしての招集だった。

2016年の世界大会を目指すチームで、永田選手は主力としてプレーするようになる。「4年間ずっと合宿して、そのためにやってきたんですが、最終予選で負けてしまった。ハードな4年間で、当時28歳。年齢的にもそれからの4年をハンドボールに捧げることが考えられず、次に進めなかった」という。

そんな永田選手が、再度ハンドボールに打ち込むことができたのは、恩師や周りの人たちの励ましがあったから。所属するオムロンピンディーズの地元・熊本で開催される2019年の世界選手権という新しい目標もできた。

ハンドボールをアピールしたい

2019年、熊本で開催された世界選手権では過去最高の10位になったが、ヨーロッパの強豪チームへの対策など、課題は多くあると実感。2020年1月からは単身デンマークに渡り、約2ヶ月の武者修行を行った。その流れで迎えるはずだった世界大会は、コロナ禍により1年間延期に。

今年5月半ばから3週間の代表合宿がデンマークであり、なかなかできなかったチームの連携プレーに磨きをかけ、パワーや体格の優れる海外チームと試合も行えた。武者修行も含めてデンマークのプレーは、「刺激も多かったし、住みやすく個人的にもあっている」と語る。

「まずは1次リーグを勝ち進み、メダルを獲得したい」と目標を掲げる永田選手には、その先にハンドボールをもっと知ってもらいたい、という想いがある。「メダルを獲ってもっとハンドボールをアピールしたい。1分で1点が決まるようなスピーディーな展開や激しいプレーで、見たら面白いスポーツ。それには私たち代表選手が結果を残して、取り上げてもらう必要がある」とハンドボールの普及を含めて、大きな責任と誇りを自らに背負い、それをモチベーションにかえる。国際試合120試合と経験を積み重ねた永田選手の活躍に期待したい。


永田しおり(Nagata Shiori)

オムロンピンディーズ所属。1987年10月24日生まれ、福岡県出身。2011年より日本代表に選出され、2019年の熊本で開催された世界選手権では過去最高の10位に貢献。日本の守備の要として世界レベルのフィジカルの強さと運動量を誇る。

【OFFICIAL SITE】http://pindys.omron.co.jp/

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