永田しおり、「言葉にした目標や夢を仲間と実現する」

2021-22シーズンでの引退を表明した永田しおり選手。「夢だったオリンピックを終え、ハンドボールへの気持ちが途切れたわけではありませんが、膝が悪くて、思ったようなプレーができなくなって」と引退を発表した経緯を語る。「シーズンの途中でしたが、発表させてもらえたことで、連絡をくれたり、試合を見に来てくれたり、伝えて良かったな、と思います」と語る。

3月5日、地元山鹿市で引退セレモニーが行われた。永田選手は、今までの感謝を伝えるために、山鹿のお気に入りスイーツ400個を用意。サインを入れて会場のファンや関係者に配った。セレモニーでは、「高校卒業後オムロンに入社して16年。世界選手権、オリンピック、オムロンの日本一と素晴らしい経験ができ、ハンボール人生最高でした」と語りかけた。

高校からハンドボールを始めた永田選手は、ハンドボールを始めて8年が過ぎた2011年、日本代表に選ばれた。初めて参加した世界選手権で、「世界との差はこんなにもあるのか」と衝撃を受け、日本と海外のハンドボールの違いに驚いた。「体格もハンドも違う。その中で守備の選手としてどう守るのか。日本で優勝したことをすごいと思っていたが、世界レベルの前では、なす術もなかった」と振り返る。

代表での遠征や海外出身の監督の指導、またデンマークへの武者修行など、「海外に触れることで、新たな文化も発見でき、日本の良さを感じることもできた」とし、ヨーロッパハンドボールへの対応を続け、2019年、熊本で開催の世界選手権で過去最高の10位に。「何ヶ月も前から海外で練習できた熊本では世界との差が縮まった」と語る。

中学でバレー部だった永田選手は、「オリンピックに出たい」という気持ちが強く、体格のこともあり、よりその夢に近いと感じたハンドボールを高校から始める。「めちゃくちゃミスもしたし、怒られたりもしたけど、チャレンジさせくれた。だから、今もチャレンジしようと思い続けられている」と高校時代を振り返る。

「全国大会の経験がなくっても日本代表になれる」としながら、「やっぱり練習から楽しむことと、『シュートを80%決める』、『今日は7km走ろう』など、簡単でいいので目標を持つこと。シーズンを始める前にチームでも目標をシェアするんです。『ポストは1試合5点』とか。数字で表すことによって、みんなが分かる。チームとしても、個人としても目標に進みながらプレーしてほしい」とこの春に全国大会に出る中高生へ言葉をかける。