楽しいを大事にしたインクルーシブサッカー大会「ゴチャタノ」開催!

デンマークのスポーツブランドhummel(ヒュンメル)は、3月2日、知的障がい児・者サッカースクール『トラッソス』と東京都の江戸川区スポーツセンターでインクルーシブサッカー大会『ゴチャタノ』を開催。選手、スタッフ含めた約170名が多様性を実感した1日になりました。

バリアフリーな子どもたち

2018年にスタートしたインクルーシブサッカー大会『ゴチャタノ』。コロナ禍明けの昨年から再開し、今年で4回目。今回も多くの企業(株式会社浅田飴有限会社エムデーエフ牛乳石鹸共進社株式会社Sgrum株式会社ダイオー/いもくり佐太郎DOORプロジェクトトラッソスチーム株式会社ナカノ商会1.FCケルン)の協賛を得て実施しました。
また、東京都江戸川区が後援。江戸川区文化共育部でパラスポーツ係を担当する萩原正明さんは、「江戸川区には平成28年に障がい者スポーツ係が東京都で初めてできました。そのときから障がい者スポーツを率先し、共生社会へと繋げられるようにと取り組みを行っています。今日のゴチャタノも誰もが参加できる多様性のあるイベント。江戸川区としても応援しています」と、パラスポーツ先進地域を代表する取り組みのひとつにもなっています。
約140名の参加者が、知的障がいのある人とない人の混成チームで4試合プレー。勝ち負けを競わず、スポーツが苦手な人でも参加しやすいように、サッカーボールの代わりにバランスボールや風船を使用。チーム名やゴールパフォーマンスを試合前に話し合うことからゴチャタノはスタート。
今年は江戸川区の小学生や中学生も多くプレー。トラッソスの吉澤昌好コーチは、「子どもたちが楽しんでハッスルする場面が増えたことで、コミュニケーションのきっかけが多かったように思います。拍手や声掛けも多く見られ、ゴチャタノへの理解が広がっているな、と実感しました」と振り返ります。

健常者と障がい者の壁

各チームはそれぞれチームの一体感を高めるオリジナルユニフォームを着用。これはトラッソスの子どもたち『トラっ子』が、カスタムオーダーサイト『オンリーヒュンメル』でデザインしたもの。認識の弱い方も多い知的・発達障がい児・者が、初対面の人とでも、仲間だと認識しやすく、笑顔で会話ができるようにという想いを込めたもの。今年は15チームとスタッフの16種類のユニフォームが会場を彩りました。
今年はJリーグクラブからの視察もあり、また、岐阜や京都など遠方からも知的障がい者スポーツに取り組んでいる人たちもプレー。さらに、Jリーグからも2名が参加。オフの日に『メリメロ』(2012年から2017年まで活動)という団体でNormalization×Footballを目指すイベントを行っていたという梶尾雅子さんは、「こういう機会あるといいですね。やっぱり知的障がいのある人たちと関わる機会が日常ではなかなかなくって、どうしていいか分からない人が多い。ひとつのボールを追いかけることで、その壁がなくなっていくのを感じました」と笑顔に。
WEBマーケティングの株式会社スクエアリングの藪内健吾さんは、ボランティアでトラッソスのTikTok動画をつくっている。「トラッソスで感じるのは、健常者と障がい者といってもスポーツを楽しむのに壁はないということ。純粋にサッカーが好きで、そして何よりもみんなトラッソスが好き。トラッソスの仲間と体を動かすのが好き。トラッソスの良さって、そこにあると思うんですよ」とこの日もビデオカメラを回しました。

楽しいを大事に

協賛のひとつに名を連ねたDOORプロジェクトトラッソスチーム。これは、東京藝術大学社会人講座のプロジェクトで、2023年度の実習先にトラッソスが選ばれたことから生まれたもの。今回は、ゴチャタノのユニフォームをモチーフにした折り紙を製作。15種類のシャツデザインを5種類に集約し、5枚の折り紙のうち1枚は自チームのウェアにどことなく似ているものになりました。
4人のメンバーのひとり岡本紗弥さんは、「福祉というと、どこか真面目さと正しさはあるけど、とっつきにくさがある印象というか。それで、アートと福祉を繋げる取り組みをしようと展示をしたり、ウェブサイトをつくったりしています。私は、『橋の下世界音楽祭』というイベントで投げ銭係を担当していたんですが、やっぱり楽しいところに人とお金が集まるんですよね。このサッカーも『楽しい』を大事にしているから人も企業も集まるんだな、と感じています」とスポーツにはない発想でゴチャタノを楽しみました。
吉澤コーチは、「このゴチャタノでなんとなく知り、なんとなく関わった先に、理解や環境づくりを含めた支援が広がっていくように思います。各地から視察に訪れてくれて、去年参加してくれた仲間のひとりが3月17日に大阪でインクルーシブサッカーイベントを行いますが、こうやって全国各地でやさしいまちづくりに向けた小さな一歩になっていってもらえたらうれしいです」とゴチャタノの先を見据えています。
ヒュンメルは、“Change the World Through Sport.”(スポーツを通して世界を変える)をミッションに、人権、ジェンダー、平和などの取り組みを行っています。知的障がい児・者サッカースクール『トラッソス』とは、昨年、つまむ動作が苦手な子どもも使いやすいランドセルを協働開発。新しい取り組みも交えながら、今後もスクールのサポートやイベントを通して、多様性を広める取り組みを推進していきます。

 

トラッソスについて
認定特定非営利活動法人トラッソスは、サッカーを通して知的障がい児・者/発達障がい児・者と健常児・者が、お互いを認め合い、尊重し合えるコミュニティづくりを行っているサッカースクール。障がい者と健常者が共に成長できる社会を目指しています。

【OFFICIAL SITE】 https://tracos.jp/

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