アンプティサッカーレオピン杯、「男女共に楽しめるスポーツに」

5月25-26日、(株)エスエスケイ/hummel(ヒュンメル)がオフィシャルサプライヤーを務めるアンプティサッカーの全国大会「第九回レオピン杯Copa Amputee」が鶴見緑地球技場で行われ、6大会連続でFCアウボラーダが優勝。アンプティサッカーとして初めてとなる女性選手によるエキシビジョンマッチも行われました。

男女共に楽しめるスポーツ

レオピン杯2日目には、エキシビションマッチとしてレディースカップが初めて行われ、アンプティ選手たちが、星翔高校女子サッカー部と対戦。女子高生たちは、慣れないクラッチと片足でのプレーに、「疲れたけど楽しかった」と話すと、サッカー元日本代表で日本障がい者サッカー連盟の北沢豪会長からは、「こんなサッカーがあるんだよって友だちに伝えてね」とリクエストを受けていました。

半月板のケガでサッカーができなくなり、片足でできるスポーツを探していたという新井鐘子さんは、レオピン杯に初参加。「子どもの頃は男子の中に1人女子でプレーすることもあったし、フットサルでも男女で楽しんでいたのですが、やっぱりこうして女子だけのアンプティサッカーをして、女友だちの輪が広がっていくっていいですね」と話しました。

また、今大会にチームとしては参加できなかったFC九州バイラオールの秋田真弓さんは、「チームはやっぱり勝利を目指している。勢いのあるプレーがかっこいいし、入りたいとは思うのですが、自分がチームの足を引っ張るのは気持ち的にもしんどくって。女子チームは精神的な安心感がありますね」と笑顔に。

昨年のレオピン杯で北澤さんが、課題だと話していた女性の参加についての対応となったレディースカップの成果について尋ねると、「やっぱり、どのスポーツも男女ともにあることが競技として認められる要素のひとつになっている。今回レディースカップができて、初めて入り口をつくることができた。アンプティサッカーにとっても記念すべき1日になった。女子高生たちには、ネガティブな言葉でも、気づきの言葉を率直に発信してくれたらいいな、と思います。ストレートな言葉が、競技やその良さを伝えていくことになっていく」と想いを語りました。

目指してきた背中

試合は、予選から決勝戦まで4戦全勝となったFCアウボラーダが大会6連覇を飾りました。MVPには高校3年生の石井賢さんが初選出。小学1年時の交通事故で片足を失い、アンプティサッカーに打ち込んできた少年が成長し、「ずっと目指してきたMVPを初めて取ることができた」と表彰式で喜びの声をあげました。

チームメイトで、日本代表のエースであるエンヒッキ・松茂良・ジアスさんを追いかけてプレーしてきた石井さんは、「追いついてはいないけど、同じ土俵に立てた」と誇らしい表情に。エンヒッキさんからは、「まだまだこれからだよね。日本を背負って」と激励の言葉を受けました。

閉会式では、日本アンプティサッカー連盟の武田信平理事長が、「若い人たちの成長を頼もしく感じています。日本が中心になってアジアアンプティサッカー連盟が設立されており、今年11月にはインドでアジアカップが初めて開催されます。秋の日本選手権に向けて練習し、力をつけてもらい、日本代表としても是非頑張ってもらいたい」と日本代表の発展に向けて話し、9回目のアンプティサッカー「レオピン杯」が幕を下ろしました。

アンプティサッカー


30年以上前にアメリカの負傷兵が松葉杖をついてプレーするサッカーを、リハビリテーションとして始めたのが競技のきっかけ。フィールドプレイヤーは主に片足の切断者で、日常生活で使われる松葉杖(ロフストランドクラッチ)をついてプレー。GKは主に片手を切断しており、欠損部の程度に関わらず、片腕でゴールを守ります。フィールドプレイヤー6名とGK1名の7人制サッカーで、日本には2010年に導入。秋に川崎市で行われる日本選手権とともに、春のレオピン杯の2大会が全国大会として実施されています。

【OFFICIAL SITE】http://j-afa.jp/

 

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