石毛秀樹、「自分の色を出したプレーでタイトル獲得を」

2024明治安田Jリーグは、2月23日に開幕する。ヒュンメルがサポートして2年目となるガンバ大阪は、2月24日、AWAYのFC町田ゼルビア戦でスタートを切る。昨シーズン、ヒュンメルとアドバイザリー契約を結んだガンバ大阪の石毛秀樹選手に新シーズンの意気込みを聞いた。

慣れ親しんだ素足感覚

石毛選手は、2022シーズンからヒュンメルのスパイクを着用。2023年11月には、新開発の『ヴォラート3』を手渡した。「複数のシューズを交互に履き替える選手もいますが、僕は同じのを履きたいタイプ。最初2足もらったのですが、練習では1足を履き続けて履いています。3ヶ月以上と長く履いていても型崩れしない。僕の足の型になっている。そういう意味では、耐久性もあるんだな、と今になって思いますね」と時間の経過と共に感じるメリットもあるという。

「ヴォラート3には何よりフィット感がありますね。まず、靴ずれしないので、自分の力を出しやすい。素足に近い感覚です。サッカーを始めた5歳から小学2年生まで、エスパルスのサッカースクールでは上靴で練習していたんですよ。素足に近い感覚でサッカーをしたほうがいいという方針で、そのときの感覚を思い出しました。そういう意味では、僕にとっては慣れ親しんだ素足感覚で、コントロールしやすいスパイクです」と語る。
2月に出たばかりの新色はブラック×ゴールド。ブラックのアッパーに同色のシェブロンラインを配置したソリッドな1足で、「白もいいですが、黒もいいですね。今年のHOMEユニフォームは黒基調で、よく合うと思うし、かっこよくなると思う」と試合に出た際のイメージも膨らんでいく。

変わらない強い覚悟

地元のスクールでサッカーを始めた石毛選手にとって、サッカーは清水エスパルスと共にあった。エスパルスサッカースクールから、アカデミー、トップも含め、期限付き移籍期間を合わせると約19年もの長きにわたって清水に在籍。そんな故郷を離れる決意をしたのが2021年12月。石毛選手は、感謝の気持ちと共に強い覚悟を持ってガンバ大阪への完全移籍を決めた。

「3年前、ガンバでタイトルをとりたいって思ったし、このチームならできると思った。そういう気持ちで大阪にやって来た。実際、2年間は残留争いで、カップ戦でも大きな成果は出せず、思った通りにはいっていません。ただ、このチームで優勝したいって気持ちは、来た時から変わっていない」と話す。

今年、ガンバ大阪はクラブとして7位以上という目標を立てている。「この数年を考えると妥当だとは思いますが、7位を目指してプレーするわけじゃない。みんなタイトルをとりたいって思ってるし、そこを狙っていかないといけない。やるからには全部勝って優勝したいという気持ちで、今年もガンバで頑張ろう、と思っています」と自身のプロキャリアでは初めてとなる優勝を目指す。

勝利への逆算を考えたプレー

ガンバ大阪に加入した2022シーズンはリーグ戦20試合に出場し、0得点、プレータイムは925分。昨シーズンは、22試合3得点、915分となった。「昨年はコンスタントに好不調の波なくプレーできた。ただ、その自らの手応えと試合への出場は別もの。選手である以上、ピッチに立つことが一番大事ですが、試合に出られないことでフラストレーションをためても自分にいい影響はない。そのメンタルがあったからこそ、昨シーズンはいいプレーを継続できた」と振り返る。

2019年4月、右膝をケガし、そこから長いリハビリ生活を送ったことがプラスに働いている。「あの頃は自分についてよく考えた期間になりました。サッカーができないことに焦るのではなく、昨日できなかったリハビリメニューができるようになるという、小さな喜びを積み重ねる日々。ほんとに、『プロリハビリ選手』って感じでしたから」と笑う。

「自分にできることは、練習し、チームで立てる対策をピッチで表現すること。毎週その繰り返しで、スタメンでも途中出場でも準備が必要。スタメンだと試合をつくる、先制する、ということ。途中出場だと時間や得点状況を踏まえて、勝利への逆算を考えてプレーする。昨シーズン、ベンチで試合を見ているときも、そうやって考えながら試合を見ていた」とし、考えてプレーすることが自分の持ち味のひとつになっているという。

数字へのこだわり

2024シーズンのガンバ大阪は、期限付き移籍からの復帰も含めて13人の新戦力が加わった。「最初から自分の色を出してくる、前向きにやっていける選手が多く、刺激を受けているし、競争も激化している。自分も自分の色を出していかないと」と危機感や緊張感をモチベーションに変える。

毎シーズン、数値目標を掲げていなかったという石毛選手だが、今季は、『5ゴール、5アシスト』という目標を立てた。「昨年、試合に出続けることができなかった。プレーの質を高めることと共に、数字を残すことが、プレータイムを伸ばすことにも必要だと思った」とスタイルを変え、数字へのこだわりを見せる。

メンバーが変わり、フォーメーションにも変化があり、石毛選手はボランチとしてプレーする。「一列下がったところで、得点は難しくなる部分もありますが、逆にミドルシュートが打ちやすくなる。攻撃的でゴールに関わるボランチという自分の色を出し、考えながら走り続けられることやプレースキックの精度を生かせば、個人的な目標にも近づいていく。数字を残すことができれば、チームの結果にも繋がっていくと思っています」と3年前に決意したガンバ大阪でのタイトル獲得を目指したシーズンが、いよいよ始まる。

 


石毛 秀樹(HIDEKI ISHIGE)

1994年9月21日生まれ、静岡県出身。170cm、70kg。富士第一SSSでサッカーをはじめ、中学時代から清水エスパルス下部組織に所属。U-15から各年代の日本代表に選出され、2011年のFIFA U-17メキシコ大会では4試合3得点の活躍でベスト8入りに貢献、自身もアジア年間最優秀ユース選手賞を受賞。プロ契約した2012年には史上最年少となる18歳1ヶ月でカップ戦のニューヒーロー賞に。2022シーズン、19年間所属した清水エスパルスからガンバ大阪に完全移籍。
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